バイオロギングとは?世界初のカメラ映像や動画からわかる生態がすごい!

「所さんの目がテン」(読売TV)で最先端の生態研究手法である「バイオロギング」の特集がありました。

この研究手法により、今までは「きっと、こうなっているんだろう」と推測されていた野生動物や水生動物の生態について、次々と新しい事実がわかるようになりました。

では、どんなことがわかるようになったのでしょう。

詳しく調べてみます。

バイオロギングとは

「バイオロギング」とは、人間が行動を記録するのが難しい動物にカメラやセンサーを付けて生態を記録する研究手法のことで、世界中の研究機関や大学の研究室などで取り入れられています。

「バイオ=生物 ロギング=記録する」 という2つの言葉を組み合わせた造語です。

「バイオロギング」により、今まで推測でしかなかった動物の生態について、「動物の目線」を見ることで詳しくわかるようになりました。

バイオロギングで分かったこと!

「バイオロギング」でわかった野生動物などの最新生態をみてみると、

【ウミガメ】

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ウミガメは以前は貝やウニを食べると思われていましたが、実はガザミ(カニ)やクラゲを食べることがわかりました。

特にカニは5分以上も追っかけて食べるほどの好物だったんです。

【オオミズナギドリ】

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オオミズナギドリという鳥はカタクチイワシを餌として食べています。

このオオミズナギドリの餌のとり方の研究のため深度記録計つけてみた結果、1mくらいしか潜っていないことがわかりました。

カタクチイワシは水深10m位を泳ぐ魚で、普段水面に上がってくることはありません。

ではどのようにイワシを捕まえているのでしょう?

それは「弱肉強食」の原理をうまく使ったもので、海の中ではイワシはサバの餌になります。

サバに追いかけられるイワシは、逃げるために水中を縦横無尽に動き回る中で水面にあがってくることがあり、オオミズナギドリはこのタイミングを狙ってイワシを捕まえるんですね。

イワシにとっては板挟み。

弱者の運命は厳しいものという事がわかりました。

【鷹】

鷹が獲物を狩るときの生態をカメラを取り付けて調べるため、放ったキジをどのように捕えるのか調査をしました。

鷹は獲物を追いかける時は下から見上げるように獲物を狙う習性があり、視界かに捕えられなくなるとすぐに諦めてしまうことがわかりました。

しかも全力での飛行時間は数十秒しかないのに諦めた後の休憩時間は20分。

なかなかのぐーたら動物だという事が判明しました。

【チーター】

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チーターと言えば時速100km/hくらいで走り抜け獲物を颯爽と捕まえるイメージがあるかと思います。

ところがカメラを付けてみると、実際は最高速度61km/h、平均31km/h程度しか出さないことが分かりました。

また、チーターは全力を出せる時間が短時間のため獲物を追っかけるのは数秒~数十秒しかなくその後の休憩時間に数分~数十分かけることもわかりました。

鷹に続いて、陸のスピードキングもサボり屋さんなんですね。

【クロダイ】

広島県で、本来は川にいないはずのクロダイ(チヌ)が釣れる川があり理由について調査されました。

クロダイに超音波発信機を付けます。

この発信機は予定時間になれば勝手に外れるように設定できる優れもので、これをクロダイの体に手術で使われる溶ける糸で縫い付け放流する手法で行いました。

翌日、超音波受信機で捜索した結果、川の下流1kmの位置で予定通り外れた発信機発見。川にずっといることが判明しました。

ただ、クロダイは海水魚のため淡水では生息できません。川の水質を調べると淡水でした。

ではどのようにして川で生きているのか小型カメラを再び付けて放流した結果、世界初となるクロダイ目線の撮影に成功しました。

そこにはフジツボやイソギンチャクを食べる姿が撮影されていました。

塩水を図る装置で川底の水質を調べると、川底だけ塩水になっていることがわかりました。

この理由は、広島市は干拓地であり海抜が低く干満差が大きいので海水が川に流入し、海水の比重が大きいため川底に塩水が入り込んでいるということだそうです。

川底は海だったんですね!

日本国内でもまだまだ知られていない自然環境が所々に存在しているんですね。

まとめ

最先端の研究手法「バイオロギング」

当然、装置の価格は非常に高価で小型カメラ1つで数十万円するそうです。

大学の研究室などでは、カメラを見失った場合は研究生は見つけるまで帰ってこられないそうです。

研究生にとっては気苦労の絶えない研究手法なんですね。

この先も、新しく生態や自然環境の定義が判明していくことに期待が持たれます。

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