こんにちは。
雑誌「ビッグコミックオリジナル」で
浦沢直樹さんの新作漫画
「夢印(MUJIRUSHI)」
の連載が始まりました!
浦沢直樹さんと言えば
「MONSTER」「20世紀少年」「PLUTO」など
伏線や謎がたくさん張り巡らされた
読み応えのある作品が多いですよね^^
今回の「夢印(MUJIRUSHI)」も
パリにあるルーヴル美術館とのコラボ企画
とのことでかなり手の込んだ
ストーリー展開が期待できそうです。
この記事では「夢印(MUJIRUSHI)」の
あらすじやネタバレについて紹介していきます。
また、伏線や謎についてもまとめていきますので、
「自分で読むから言わんといてっ!」
という方は読み進めないほうが良いと思いますので
ご注意ください^^
それではさっそく
2017年11月5日号(2017年10月20日(金)発売)
夢印(-MUJIRUSHI-)第1話「研究所」
についてのあらすじネタバレと考察を
まとめていきますね~^^
Contents
夢印第1話「研究所」のあらすじ
第1話「研究所」のあらすじの概要はこのような感じです。
夢印第1話「研究所」のネタバレ
ここからは第1話のネタバレを含みます。
冒頭、
男性が「ねぇ、手を出して」と言い
女性の手のひらに”朱色の石(のようなモノ)”を
落とすように渡す。
(レンガ造りの建物の地下通路のような場所)
落とした”朱色の石”を拾いなおし
全力で走り去る紫色のスーツを着た男
町工場経営で負債を抱えた男と妻・娘
東京
「まだ呼んでるよ、こっち来いって・・・」
道案内をするがごとく電柱に張られた
平行四辺形を横に3つ並べたような”印”に
引き寄せされるように歩をすすめる父親
「誰も呼んでなんかいないよ!
また、だまされてるんだよ」
父親を止めようとしつつ付いていく娘
娘は今の状況に至った経緯を思い返す
(古ぼけた狭い家でちゃぶ台を囲む親子3人)
「お父さん、脱税しようと思う。」
「鴨田樹脂加工工業」を営むが
経営が苦しく貧しさから脱却できない父親は、
商工会で聞いた、
まともに税金を払っているのはウチくらいだ
という話をする。
「お金が手元に残ったら何がしたい?」
妻は少し考えて「豪華客船で船旅」と答えた。
(税務署からの工場の差押え)
「なんで今季に限って税務調査がはいるのさ。」
立ち尽くす親子3人。
山積みの「ビーチサンダル」を目の前に妻が叫ぶ
「こんなもん山のようにかかえてどうすんのさ!」
(商店街の福引き所)
「ビーサン工場の奥さん・・・
豪華客船の旅ー大当たりー!」
福引きで特賞
「豪華客船(ビバリー・ダンカン号)地中海クルーズの旅ペアでご招待」
を引き当てた妻。
(噂話をする2人組の奥さん)
「ビーサン工場の奥さん、クリーニング屋の旦那と駆け落ちしたって。」
「豪華客船の旅のまま帰ってこないって...シっ、あのコよ。」
そばを通りかかった娘を見て噂話をやめる2人。
「いくぞ、かすみ」
父親に呼ばれ歩き出す。
2人は足元に落ちていた”福引きのチラシ”に目をやる
「ビバリー・ダンカン...大富豪気分か...」
オイシイ話に騙され更に負債を抱える
(ラーメン屋で食事する父親とかすみ)
そばに座る2人組の男の会話が耳に入る。
「...で、試しに作ってみたわけよ」
ビバリー・ダンカンのゴムマスクをかぶる男。
「ビバリー・ダンカン!次期アメリカ大統領候補!」
「財界の女帝で大富豪、ビルをいくつも持って
自分の名前の豪華客船まである。
それが何を勘違いしたかアメリカ大統領選に立候補したんだ。
言うことなすことめちゃくちゃなんだがこいつが実に面白い。」
ゴムマスクを大量生産したらバカ売れだが作る工場と資金がないと話す。
「お前一口乗らないか?」
「いや~俺はそんな余裕は...」
「大当たりするのにな~これ...」
2人組の会話が途切れる。
そこに父親が一言
「あの~、あります、けど...工場ならあります。」
(鴨田樹脂加工工業内)
「大富豪気分!」
ビバリー・ダンカンのゴムマスクをかぶりながら
大量生産されるマスクを見てつぶやく父親。
「バカやってねえで聞け!
ビバリー・ダンカンの人気がすごいことになってきた!」
「もっともっと大量生産しないと間に合わねぇ!
どんどん融資受けなくちゃ。
ここにサインしてくれ!」
「は...はい。」
「いや~、たいへんなことになるぞ~!」
「は...はい。」
借用書にサインをする父親。
(新聞の記事)
「ビバリー・ダンカン、トーンダウン。
最終局面で路線変更か!?」
「対立候補のコネリー氏、
選挙陣営の女性にセクハラ疑惑!」
「ダンカン候補戦わずして勝利か?」
「ビバリー・ダンカン新大統領誕生!
史上稀にみるしりすぼみな大統領選。」
当初の思惑が外れ、全く人気は出なかった。
(鴨田樹脂加工工業内)
「納品先はどこんですか?」
「まいったよね~。ダンカンがこんな地味になっちゃうとはね。」
「もしもし!ねえ!この借用書どうするんですか!?」
「もしもし!?もしもーし!!」
一方的に切られた電話に叫ぶ父親を見て
”アカンベー”をするも寂しそうな顔で見つめるかすみ。
(工場を出てあてもなく歩く父親とかすみ)
「もしもしドミノ金融ですが
昨日がお支払いの期日でしたが入金が
確認されておりません。」
「もしもし、ウシジマローンですが...」
「まごころ金融でございます。...」
「もしもし、ゆとりローンでございます...」
いくつもの金融業者からの電話を受ける父親。
(電車のホームの隅に立つ父親とカスミ)
父親とかすみを見つめるキオスクのおばちゃん。
父親の顔をじっと見つめ、長年の経験から”察知”する。
線路では数匹のカラスが何かをついばんでいる。
「ちょっと。」
父親に声をかけ”あんぱんと牛乳”を差し出すキオスクのおばちゃん。
父親は遠慮するが、かすみのお腹が鳴ったため
かすみに手渡そうとしたところカラスが寄ってくる。
「おまえらのじゃないよっ!」
父親が聞く
「カラス多いですね」
「あー、そりゃここは”あれ”だからね。」
かすみが質問する
「ここはあれって?」
「あー、なんでもないの。」
「おばちゃんのおばあちゃんがよく言ったものよ。
幸せなんて追いかけるもんじゃないって。
いつかそのうち幸せの青い鳥が
いい知らせを運んでくるからねって。」
ふいに父親は線路を覗き込んだ。
線路内にいるカラスの足にくくられた「メモ」を見つける
父親がふいに線路に近づいたので
おばちゃんは慌てて引き留める。
「いや、違うんです。あれ...
足に何か...」
一匹のカラスの足に巻かれていた”メモ”を見つける。
そのカラスが父親のほうに飛びかかってきたので
父親はカラスを捕まえてメモを取った。
メモには”夢印”の文字と
平行四辺形を横に3つ並べたような”印”が
書かれてあった。
「夢印」になぜか希望を感じ、逃げたカラスを追いかける男
「こ、これは青い鳥が運んでくる
いい知らせに違いない!」
逃げたカラスを追いかけ始める父親
「それは、カラスだってば!」
おばちゃんの声がホームに響いた。
「仏研」と書かれた建物に辿り着く
カラスを追いかけていると
街の中にいくつも点在している
”印”の書かれた紙を発見。
その紙に導かれるように歩を進めていく父親。
「カラスがいい知らせをもってくるなんて聞いたことないよ。」
父親を引き留めようとするかすみ。
「まだ続いてる。夢がかなうんだ。」
”印”しか目に入らない父親。
「お父さんずっとよくないこと続いて、
わけわかんなくなっちゃてるんだよ!」
「まじめにやればなんとかなるってば!
私も手伝うから!」
かすみが話しかけるが父親の耳には届かない。
そこに、先ほど逃げたカラスが姿を現し、
一軒の建物の街灯にとまった。
「あのマーク...」
かすみは”印”の書かれた看板を見つける。
看板には「仏研」と書かれてあった。
「仏研...?
仏様の研究所...?」
父親がつぶやいた。
すると、ふいにカラスがしゃべり始める。
「ハイルザンス。」
カラスを見つめ驚く父親とかすみ。
カラスのとまった建物は、
周りをシュロの木に囲まれた
ツタのまとわりつく
ボロボロの一軒家だった。
建物内で椅子に腰かけた1人の男と対峙
「ごめんくださーい。」
建物の扉を開ける父親。
「やめようよ~、お父さ~ん」
引き留めつつもついていくかすみ。
建物内は薄暗く電気も消えていた。
よく見てみると
ヨーロッパ調の家具を中心とした
インテリアで揃えられた部屋だった。
「”夢印”って...夢をかなえてくれるんでしょうか?
僕には夢も希望もありませんけど...」
独り言のように話しかけながら奥へと進んでいく父親。
2階への階段を上ろうとすると
先ほどのカラスが手すりにとまっていた。
「本当に夢どころか、生きるか死ぬかなんです」
「そんな僕の話も聞いていただけますか?」
話しかけながら2階への階段を上る父親と
黙ってついていくかすみ。
階段を上がり終えると見えてきた
正面の部屋に目をやると...
そこには1人の男が
ひじ掛けの付いた椅子に足を組んで座り
2人の方を見つめていた。
その男の顔には「マーク」が...
「夢がない。」
男はそうつぶやいた。
「夢がないって言ったざんすか?」
かすみは男の顔に目をやると
そこには”印”が見えた。
「あの歯、あのマークだ...」
男は話を続けた。
「そんな奴に用はないざんす。」
「ミーのとっておきのおフランスの話も
する気はないざんす。」
「夢を見る人にしか、
ルーヴルから美術品を拝借した話なんて、
してあげないざんす。」
そこには
- 長髪を七三に分け内巻きにした髪型
- 細い目ととんがった鼻
- 左右に細く伸びた口ひげ
- 3本の出っ歯
- スーツに蝶ネクタイ
が特徴の”あの男”が座っていた。
第1話 完
夢印第1話「研究所」の伏線・謎まとめ
ここでは第1話「研究所」に出てきた
伏線や謎についてまとめていきます。
※ あくまで私の主観でまとめていますので、
すべてを網羅しているわけではありません。
夢印の意味は?
まず最初にして最大の謎
「夢印」の意味ですが、現段階では当然明らかになっていません。
作品中で出てきたのはメモに書かれた文字でした。
ストーリーの展開から、
メモを書いたのは「仏研の男」ですね。
男の目的は「夢を持つ人を集めること」
その目的にルーブルの美術品を
拝借していることが関係しているようです。
つまり、「夢印」とはルーブルの美術品に隠された
「お宝」的なモノだと推測してます。
今後の展開に注目ですね。
平行四辺形を横に3つ並べたようなマークの意味は?
「平行四辺形を横に3つ並べたようなマーク」というのは
見た目は▱▱▱の間の隙間をなくした形です。
結論から言うと「出っ歯マーク」でした。
第1話の最後にかすみが
「あの歯、あのマークだ...」と言ってますし。
これは「トレードマーク」として使っているだけなのか?
それともストーリーの中でこの形が必要になってくるのか?
作品タイトルの中にも描かれているので
何かしら重要な意味があると思います。
が、現段階では不明です。
「Le signe des rêves」の意味は?
作品タイトル「夢印」のサブタイトルに
「Le signe des rêves」という言葉が入っています。
これはフランス語で
直訳すると「夢の兆候」となります。
Le signe(ル・シーニュ)・・・兆候
des・・・(デ)・・・の
rêves(レーヴス)・・・夢
revesはreveの複数形で「理想・憧れの」
といった意味が含まれるようです。
「朱色の石」のようなモノは何?
冒頭で男性が女性に手渡した「朱色の石」のようなモノ
背景の海はおそらく地中海だと思います。
手渡した後の描写の切り替えを見ると
男性が女性に渡した「朱色の石」を
「後ろ姿の男」が盗んで逃げてきた
という流れに見えました。
つまりこの「朱色の石」が
第1話の最後のページでいうところの
「ルーヴルから拝借した美術品」の
ことなんじゃないかと思います。
この「朱色の石」に秘められた秘密は
まだ謎のままですね。
鴨田家の家族の名前は?
第1話の時点では、登場した人物で名前があるのは
鴨田家の3人とビバリー・ダンカン、
それに商工会のイケちゃんとクロちゃんだけでした。
鴨田家の名前
父親・・・あんた、お父さん
母親・・・奥さん
娘・・・かすみ
ちなみに
この物語の主人公が誰なのかも
まだはっきりしていません。
父親なのか娘のかすみなのか?
名前があるのは「かすみ」だけなので
主人公は「かすみ」になると思いますが。
鴨田樹脂加工工業のある商店街はどこ?
鴨田樹脂加工工業の所在地は
東京にあるダイヤモンド商店街のようです。
作品中の東京が現実の東京と同一かは不明です。
もし、同じような地名を設定しているとすれば
ダイヤモンド商店街は
「武蔵野市吉祥寺のダイヤ街商店街」
がモデルになっているんじゃないかなと思います。
最寄り駅は「JR吉祥寺駅」です。
作中の駅はこちらになるんでしょうか。
ちなみに実際の「ダイヤ街商店街」に
「鴨田樹脂加工工業」はなかったです。
妻とクリーニング店の旦那はどこに行った?
いきなり旦那が借金作った矢先、
福引きで特賞が当たるという
ギャップがすごかったですね。
豪華客船の旅先は「地中海」
つまり「フランス」の近くです。
ということでストーリー展開として
再び出てくる可能性はとても高いと思います。
思いっきりセレブな感じにでも
なってるんでしょうかねw
ビバリー・ダンカンのモデルは?
作品中でアメリカ大統領に就任したビバリー・ダンカン女史
財界の女帝
大富豪
豪華客船やビルを複数所有
言うことなすことめちゃくちゃ
メキシコ国境に壁を建設する
このキャラ設定は間違いなく
ドナルド・トランプ氏ですねw
顔もそっくりに描かれています。
仏研の意味は?
父親は仏研のことを
「仏様の研究所」と言っていました。
でもこれは「フランス研究所」で
間違いなさそうですね。
なんなら「おフランス研究所」
かもしれません。
だって「あの男」の研究所ですから。
仏研の男の正体は?
仏研の2階で椅子に腰かけていた男
- 口癖は語尾に「ざんす」
- 容姿
間違いなく「イヤミ」ですね。
おそ松さんなど赤塚不二夫作品には
欠かすことのできないキャラクターです。
更に決定的な証拠が2つ
1.第1話のサブタイトルが「1er Sheey!」
フランス語の「1er」は英語の「1st」と同じで
「第1回」という意味で使われます。
「Sheey!」は「シェー!」のことで
イヤミの持ちネタです。
2.最後のページの「第1話 完」の上
「第1話 完」の上に
「協力/フジオプロ ©赤塚不二夫」
って書かれてありますw
今後も赤塚不二夫さんの作品キャラが
出てくるかも知れませんね。
夢印第1話「研究所」の感想
「夢印」第1話は「めっちゃ展開早いなぁ」
というのが第1印象でした。
冒頭で走り去る男は後ろ姿のシルエットから
おそらく「イヤミ」かと思います。
っていうか、
そもそもなんでイヤミが出てきたんですかね?
1970年の「ビッグコミックオリジナル」に
読み切りでイヤミが行きつけのバーで
女性と出会い同棲を始めるっていう作品
「ミスターイヤミ」が掲載されてたそうです。
そこらへんと関係あるのかなぁなんて思いますが、
なんせ調べても内容が出てこなかったので
追及は難しいかもです。
話を戻して、イヤミからの東京。
鴨田家の落ちぶれていく様も早かった。
数ページでまとめられてましたねw
浦沢直樹さんの描写のうまさに唸ってしまいます。
今後の展開としては
父親は現実逃避し過ぎで周りが見えてないので、
かすみがどのように物語を進めていくのか
気になるところです。
結果として
第1話ではルーヴル×イヤミ×夢印の
つながりが見えてきませんでした。
第2話でもどんどん展開が進んでいけば
ある程度のあらすじが見えてきそうですね。
次回第2話が楽しみです^^
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